フィリピンのアテネオ・デ・マニラ大学で、2015年1月22日から25日にかけて、「15th Annual International Conference on Japanese Studies」(第15回日本学国際会議)が開かれる。

今年は、筑紫女学園大学教授の大城房美氏が代表をつとめる「女性MANGA研究プロジェクト」が開催してきた「Women’s Manga Conference」(女性MANGAシンポジウム)第6回との共催として開かれ、「Manga and the Manga-esque: New Perspectives to a Global Culture」(日本マンガ、そして日本マンガ的な:グローバル・カルチャーへの新たな視点)と題し、日本のマンガに関する発表が行われる予定だ。

現在、その発表者が募集されており、推奨テーマとしては▽日本マンガと日本マンガ的作品との比較▽グローバリゼーションにおける日本マンガ▽教室内における日本マンガの活用、などが挙げられている。また、「Women’s Manga Conference」(女性MANGAシンポジウム)との共催ということで、女性と日本マンガの関係についての発表も募集されている。

フィリピンのマンガ(CではなくKを用いて、Komiksと表記される)といえば、かつてアメリカ合衆国の統治下にあったこともあり、アメリカ・マンガからの影響が大きいことで知られる。世界的にヒットしたフィリピン・マンガの傑作『エルマー』の作者であるジェリー・アランギラン氏も、アメリカのスーパーヒーローものコミックで活躍していた作家だ(なお、この作品の一部は、ハル吉氏の翻訳によって無料公開されていたが、現在は公開を停止しているようだ)。

日本語で読めるフィリピンのマンガの歴史については、ジャクリーン・ベルント編『国際マンガ研究4』に収められた、カール・イエアン・ウイ・チェン・チュア、クリスティン・ミシェル・サントス/西原麻里訳「フィリピン・コミックスの”死”について」があり、これはネット上でダウンロードして読むことができる〔PDF〕。

この論文にも書かれているように、フィリピンのマンガはアメリカからの影響を受けているだけでなく、近年は日本マンガからの影響で、日本マンガ的なスタイルの作品も生まれてきている。また、日本や韓国において国がさまざまなレベルでマンガを活用しているのと同じく、フィリピン政府も外交分野においてフィリピンのマンガやアニメーションを使用し始めているそうだ。

アメリカや、もともと日本の文化と関係の深かったアジア諸国でもなく、アメリカ・マンガの影響が濃かったフィリピンというアジア圏の国で、日本のマンガが加わることが今後どのような変化をもたらすのか。これからのフィリピン・マンガの行き先は、グローバル化(世界化)したと言われる日本マンガの今後を考えるうえでも興味深い事例だろう。
発表要旨の締め切りは2014年9月30日まで。詳しくはリンク先を参照してほしい。

「15th Annual International Conference on Japanese Studies & the 6th Women’s Manga Conference」の発表要旨募集
http://ateneojspconference.blogspot.jp/2014/06/15th-annual-international-conference-on.html