2014年9月17日から21日まで、カナダ・オタワにてオタワ国際アニメーション映画祭が開催された。1975年の第1回以来、カナディアン・フィルム・インスティテュートが主催する同映画祭は、アニメーション専門のものとしては北米最大の規模である。他の主要なアニメーション映画祭と比べると、同映画祭はテレビジョン・アニメーション・カンファレンスが同時開催されることに象徴されるように、(主に大人向けの)テレビ用カートゥーン・アニメーションとのつながりが強いことに特徴がある。

オタワのコンペティション上映は、長編部門、短編部門(物語作品部門と実験作品部門にさらに分かれる)、学生部門(高校生部門、大学部門、大学院部門)、依頼作品部門(ミュージック・ビデオ部門、CM部門、大人向けテレビ作品部門)、子供向け短編作品、子供向けテレビシリーズ作品部門、スクール・ショーリール部門と細かいカテゴリに分かれている。その一方、長編と子供向け作品、スクール・ショーリール部門を除く全部門の短編作品が同じプログラム内で混ぜ合わされて上映される特殊な形態をとっており、観客は必然的に様々な種類の作品に触れることになる。

今年のオタワで話題となったのは、ディズニー・スタジオの大規模な特集である。1989年の公開から25周年を記念した『リトル・マーメイド』が、ジョン・マスカー氏およびロン・クレメンツ氏の両監督をゲストに迎えて特別上映されたほか、映画評論家のレナード・マルティン氏、アニメーション研究家のジェリー・ベック氏がそれぞれプログラム選定を担当したディズニーの短編作品プログラムの上映があるなど、大きな盛り上がりをみせた。

コンペティションでは、ポーランドを代表する作家ピョートル・ドゥマウア氏の新作『Hipopotamy』(2014年)が短編部門のグランプリを獲得した。子供とともに水浴する母親たちの一群と、彼女たちを暴力によって従えさせようとする男たちのあいだの諍いを描くこの作品は、今年、アヌシーやザグレブ、広島をはじめ主要なアニメーション映画祭でコンペティション作品として選出されてきたが、ここオタワで初めて大きな栄冠に輝いた。短編部門全体のHonorable Mention(賞には及ばなかったが特筆すべき作品)には、ホットドッグやバナナ、バターらがラップを繰り広げるカリフォルニア芸術大学の卒業制作作品『Butter Ya’self』(ジュリアン・ペチェック監督)が選ばれた。

長編部門では、カナダ国立映画製作庁製作の『Seth’s Dominion』(リュック・シャンベラン監督、2014年)がグランプリに輝いた。この作品は、ニューヨーカー誌の表紙を手がけるなどしているカナダの著名なカートゥーン・コミック作家Seth氏に焦点を当てたもので、Seth氏が自身の人生を語るインタビュー(実写)と、氏のグラフィック・ノベル作品をアニメーション化したものが組み合わさる構成となっている。

日本作品は、スクール・ショーリール部門で東京藝術大学がSpecial Mentionを受賞、大学院部門でも同校の修了制作作品『澱みの騒ぎ』(小野ハナ監督、2014年)がHonorable Mentionを受賞した。

オタワ国際アニメーション映画祭公式ホームページ
https://www.animationfestival.ca