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クエイ兄弟『ストリート・オブ・クロコダイル』より《仕立屋の店内》1986年 photo © Robert Barker

三菱地所アルティアム(福岡県)にて、「クエイ兄弟―ファントム・ミュージアム―」が3月25日(土)より開催される。クエイ兄弟は、スティーヴン&ティモシー・クエイ(Stephen and Timothy Quay)の双子でアメリカ出身のアニメーション作家。主にストップ・モーションを用いた人形アニメーションで知られる。ふたりは1947年にペンシルヴァニア州ノーリスタウンに生まれ、フィラデルフィア芸術大学で学ぶ。1967年の「ポーランド・ポスターの芸術」展によって、彼らは東欧の文化芸術に強い影響を受ける。東欧への関心は、アニメーションを学ぶためロンドンのロイヤル・カレッジ・オブ・アートへ進学してから、ますます高まっていった。1979年に短編映像作品『人工の夜景―欲望果てしなき者ども』(Nocturna Artificialia: Those Who Desire Without End )を発表し、以降、クエイ兄弟はロンドンを中心に、アニメーション、ドキュメンタリー、ミュージック・ヴィデオ、バレエ映画、長編映画、コマーシャルなどを制作している。2012年にはニューヨーク近代美術館で大規模な回顧展(Quay Brothers:On Deciphering the Pharmacist’s Prescription for Lip-Reading Puppets)が開催されるなど、その作品は世界的な評価を受けている。

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作家近影

今回、三菱地所アルティアムで開催される展覧会は、西日本初となるクエイ兄弟の個展。この展覧会は昨年、神奈川県立近代美術館でも開催されているが、展示作品や構成が異なっている。福岡会場は初期作品にフォーカスした内容となっており、1986年にカンヌ国際映画祭短編部門にノミネートされた代表作『ストリート・オブ・クロコダイル』や、チェコの映像作家ヤン・シュヴァンクマイエルへとオマージュをささげた『ヤン・シュヴァンクマイエルの部屋』など初期の映像作品を中心に上映・展示される。くわえて、映像制作に使用された模型や、1970年代に鉛筆で描かれた一連のドローイング「黒の素描」も展示される。制作の背景を伺うことができる模型は、本展の見どころのひとつである。福岡会場では触れられなかったCMなどの商業的な映像作品についても、特別上映として鑑賞の機会が設けられている。

 3月25日(土)にはオープニング・イベントとして、神奈川県立近代美術館・主任学芸員の籾山昌夫氏によるクエイ兄弟の魅力と変遷についてのトークと代表作の上映会がおこなわれる。展覧会は5月7日(日)まで開催される。

各上映日時・プログラムはアルティアムHPにて公開されている。

http://artium.jp/exhibition/2017/17-01-quaybrothers/