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 国際シンポジウム「アーティストが語る現代美術の保存と修復」が、2017年3月20日に京都大学吉田南キャンパスにておこなわれる。

 このシンポジウムは、京都大学の岡田温司教授が研究代表者を務める研究プロジェクト「現代美術の保存と修復—-その理念・方法・情報のネットワーク構築のために」(日本学術振興会科学研究費助成事業研究・基盤研究(A))の一環。このプロジェクトは過去に2回シンポジウムをおこなっており、海外の専門家や研究者がゲストとして登壇していた。今回は現代美術のアーティストをゲストに招き、イヴェントがおこなわれる。ゲストは、岡崎乾二郎氏、藤幡正樹氏、宮永愛子氏の3名が予定されている。

 そもそもこのプロジェクトは、現代美術の保存・修復について、収蔵先である美術館の現状を確認し、「将来にわたっていかなる収集・保存・修復の在り方が望ましいか」を、美学・美術史の研究者、学芸員、修復の専門家、現代美術作家らで議論し、あわせて情報共有のためのネットワーク構築をおこなっていくことを目的としている。「現代美術の作品は、その素材や展示形式の多様性において、過去の美術作品や文化遺産とは大きく異なる特徴を有する。にもかかわらず、ある一定のノウハウやコンセンサスのないまま、各美術館がそれぞれ別個にその場しのぎの対応をしてきている、というのが現状」だという。

 ゲストの3名は、それぞれ現代美術のアーティスト。岡崎乾二郎氏は、絵画や立体作品から建築設計など幅広い分野で制作をおこなうアーティスト。主著『ルネサンス 経験の条件』(2001年)など、批評的テキストにおいても極めて有名で、執筆活動も盛んにおこなっている。藤幡正樹氏は、インターネットやCGIを用いて作品制作をおこなうアーティスト。1996年には《Global Interior Project #2》という作品で、アルスエレクトロニカのインタラクティブ・アート部門のゴールデン・ニカ賞を受賞している。宮永愛子氏は、塩やナフタリンを用いた作品で知られるアーティスト。結晶とその空気中への昇華をともなった作品群は、必然的に時間の流れを含みこむものとなっている。それぞれ特異な実践をおこなう3名のアーティストたち。現代美術の保存と修復について、自身の制作経験に基づく興味深い内容が語られると期待される。

 シンポジウムの事前申込みは不要、聴講は無料となっている。