アメリカのハーバード大学を中心として設立が目指されているアメリカ・デジタル公共図書館(Digital Public Library of America、通称DPLA)と、欧州委員会から支援を受けている欧州文化遺産のマルチメディア図書館ポータルEuropeanaは、DPLAのシステムやデータをEuropeanaと相互運用性の高いものとすることで合意した。

DPLAとEuropeanaは、図書館、博物館、公文書館、メディア・アーカイブ施設などのデジタル・データを無償で一般に公開するという共通した目的をもつ組織だ。

ただ、もともとEuropeanaはアメリカのグーグル・ブック・サーチ(当時の名称はグーグル・プリント)へのヨーロッパ側からの対抗という面をもっており、アメリカとの連携は今後の趨勢を見るうえでも興味深い試みと言えるだろう。

フランス国立図書館(BNF)の館長だったジャン-ノエル・ジャンヌネー氏は、グーグルが書籍を全文スキャンし、検索できるようにする計画を発表すると、その一極化に強い危機感をいだいた。そして2005年1月24日のル・モンド紙に、「グーグルからのヨーロッパへの挑戦(Quand Google défie l’Europe)」と題した一文を寄せる。当時のフランス大統領ジャック・シラク氏の応援などもあり、欧州全体の取り組みとしてEuropeanaの計画がはじまった。この経緯は著作Googleとの闘い——文化の多様性を守るために(岩波書店、2007年)に詳しい。

2008年にはプロトタイプが完成。現在もまだbeta版とつけられているものの、1,500の機関から協力を得て、すでに2千万件のデジタル・データへアクセスできるようになっている。

また、メタデータとメタデータ・システムの共有化および規格化にも積極的に取り組んでおり、メタデータは商業利用も可能なCC0 public domain dedicationライセンスとし、システムについてもホームページ上のThoughtLab(思考実験室)で開かれた議論をおこなっている。

なお、ジャンヌネー氏は2009年に来日し、国立国会図書館で講演および館長の長尾真氏との対談もおこなっており、この模様は国立国会図書館の月報(PDF)に掲載されている。
 

アメリカ・デジタル公共図書館からのEuropeanaとの合意を発表するプレス・リリース

http://app.e2ma.net/app2/campaigns/archived/1403149/b4df979b6c0dfd8499fe894a6ba068fc/

カレントアウェアアネス・ポータル内のEuropeana関連記事

http://current.ndl.go.jp/taxonomy/term/556