ニューヨークのチェルシー地区に拠点を構えるアート&テクノロジー・センター「EYEBEAM」は、2013年1月8日から12日まで、「Eyebeam復活──デジタル・アーカイブの未来(Eyebeam Resurfaces: The Future of the Digital Archive)」と題してデジタル・メディアを含む同センターの作品やアーカイブ資料の保存に関する展覧会、レクチャー、上映、パネルディスカッションを開催した。

2012年10月下旬から米国東部を襲った大型ハリケーン「サンディ」は記憶に新しい。ニューヨーク市では広範囲に及んで浸水し、生活のインフラが長期間にわたって麻痺した。その影響で美術館や文化施設などが所蔵する美術作品やアーカイブ資料の数々が深刻なダメージを受けた。「EYEBEAM」では、過去15年間分のドキュメントや視聴覚資料(1500アイテム以上のDVD、VHS、ハードディスク等)をはじめ、メディア・アーティストのゴラン・レビン氏(Golan Levin、米国)やopenFrameworksの開発者として知られるザッカリー・リバーマン氏(Zach Lieberman、米国)らの作品が水に浸かった。

イベント「Eyebeam復活──デジタル・アーカイブの未来」では、コンサベイター(作品保存の専門家)やボランティアによる水害によってダメージを受けた作品/資料群の応急処置の試みや、レスキューされた作品の紹介などを通して、デジタル・アーカイブに対する洞察の重要性を投げかける。本イベントのキュレーターであるリンゼイ・ハワード氏(Lindsay Howard)とジョナサン・ミナード氏(Jonathan Minard)は、「EYEBEAMのアーカイブとコミュニティが被ったデジタル史を記述するコレクションを救出した物語を共有することによって、現代のデジタル・メディアやアーティファクトを長期的な展望を持って保存するための議論に寄与していきたい」と語る。

デジタル媒体によって記録されたデータは、アナログ媒体に比べてバックアップが安価で大量に作れるというメリットがある一方で、データが簡単に完全消滅しやすい媒体の脆弱性を抱える。時間経過による劣化と天災/人災を視野に入れながら、これらのジレンマを補完しあう戦略が求められる。

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