フランスのアングレームにある「マンガとイメージの国際都市(Cité Internationale de la bande dessinée et de l‘image 、通称CIBDI)」は、所蔵する貴重資料のデジタル化をすすめている。今まではその成果を自館のホームページ上で公開するにとどまっていたが、今後はフランス国立図書館(BNF)の運営するデジタル・ポータルサイト、Gallicaでも閲覧が可能になることが発表された。Gallicaは、欧州文化遺産のマルチメディア図書館ポータルであるEuropeanaに参画することを公表しているので、CIBDIのデータもやがてEuropeanaに統合されることになる。

CIBDIによるデジタル・アーカイブの試みは、『ジグとピュス(Zig et Puce)』の作者であるアラン・サン=トガン(Alain Saint-Ogan、1895-1974)の全単行本(29冊)と手稿(82冊)をデジタル化することからはじまった。アラン・サン=トガン氏の著作権はまだ消滅していなかったが、遺族の承諾を得ることによってこのプロジェクトは実現された。『ジグとピュス』はフランス語圏のマンガとして、はじめて吹きだしを全面的に採用した作品として有名。第一作が発表されたのは1925年で、エルジェ著作『タンタン(Tintin)』(1929年)よりも古い。

そのほかにも、民衆版画※1を出版していたメゾン・カンタン(Maison Quantin)の発行物や、「ル・リール(Le Rire)」、「リゼット(Lisette)」、「アメリカン・イリュストレ(American Illustré)」といった風刺/マンガ新聞が公開されている。

BNFの運営するGallicaには、「ル・プチ・パリジャン(Le Petit Parisien)」など、マンガ史を研究するには欠かせない重要な資料がもともと含まれており、両者の協力によって、より効率的なマンガのデジタル・アーカイブ化が期待される。

※1・・・民衆向けに大量に刷られ、しばしば行商人によって地方にまで届けられた安価な版画。世界各地に存在し、フランスでは生産地名から名づけられた「エピナール版画(Image d’Épinal)」が有名。

 

CIBDIのデジタル化資料コレクション

http://collections.citebd.org/

CIBDIからのGallica参加についてのアナウンスメント

http://www.citebd.org/spip.php?article2929

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