世界最大級のゲームジャムイベント、GlobalGameJam2015(主催:GlobalGameJam社)が2015年1月23日から1月25日まで開催された。今年度は全世界で78の国と地域から518会場が設立され、28,837名が参加し、5,438本のゲームが制作された。このうち国内では19会場が設立され、586名が参加し、107本が開発された。開発されたゲームは公式サイトからプレイできる。

GlobalGameJamは経歴もスキルも多様な参加者が一堂に集まり、数十時間で特定テーマのゲームを制作する「ゲームジャム」と呼ばれるイベントの一つだ。2009年からスタートし、2013年度には世界で最も参加者数の多いゲームジャムとして、ギネスブックにも認定された。毎年1月末に全世界で開催され、ニュージーランド会場からスタートし、地球を一周してハワイ会場で終了する。もともと国際ゲーム開発者協会(IGDA)の教育専門部会が立ち上げたイベントで、コンテストではなく「ゲーム開発のノウハウを、集団作業を通して学び合うこと」を目的としている点が特徴だ。

今年のテーマは”What do we do now?”(今、私たちは何をしている?)で、抽象的な内容だけに、様々な解釈が見られた。ちょうど「イスラム国」で日本人の人質事件がニュースになっていた時期だけに、「私たち」という言葉に真剣に向き合ったチームもあれば、テーマを構成する単語の頭文字「Wdd」を削除して、「Hat O edo now?」から侍の洗髪ゲームを作ったチームもあった。VR(バーチャルリアリティ)デバイスのオキュラスリフトや、AR(拡張現実)ゲームを作成したゲームも見られた。このほか国内初の事例として、視覚障害者と共にゲームを開発したチームもあった。

またGlobalGameJamの特徴の一つに、会場運営が各会場の責任者に委ねられており、地域の実情にあわせて改変が認められている点がある(宗教的な観点から日曜日の作業が禁じられている地域では、開催日自体も変更できる)。日本でGlobalGameJamが本格的に開催されるようになったのは2010年からで、これまで様々な試行錯誤が行われた結果、今年は「3日間ではなく2日間で開催」「企画会議やチーム編成にミニワークショップを実施する」「スカイプなどのツールをスケジュール管理に活用する」などの運用が見られた。

一方で海外に目を向けると、新興国でゲーム開発を産業育成に組み込み、国策として巨大会場を設営した会場も増加中だ。世界最大の会場規模となったのが、エジプトのギザ会場で1,703名が登録した。またベラルーシ、キューバ、エクアドル、フェロー諸島、ジョージア州、ガーナ、ガテマラ、ガーンジー、ルクセンブルクで初めて会場が設営された。このように南北アメリカからアジア、オーストラリア、ヨーロッパ、アフリカまで、GlobalGameJamの会場は世界中に広がっている。

GlobalGameJamの成長はゲーム産業の世界的な広がりを意味している。その背後にあるのがIGDA教育専門部会をはじめとした、ゲーム開発者教育に携わる研究者コミュニティの存在だ。こうした研究者による最先端の研究と、ゲームエンジンなどのツールの普及、実践の場としてのGlobalGameJamという3つの要素が融合し、英語圏を中心に成長してきた。今年も一部の国内会場でバンクーバーや台湾との国際連携が見られたが、言語の壁もあり、それほど密接な交流が行われているわけではない。日本においても、GlobalGameJamを通したさらなる人材や知見の交流を期待したい。

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バンクーバー会場の参加者

GlobalGameJam
http://globalgamejam.org/

GlobalGameJam(国内)
http://ggj.igda.jp/