カナダ国立映画製作庁(NFB)を中心に活躍したアニメーション作家/プロデューサーのルネ・ジョドワン氏が、2015年1月22日、亡くなった。95歳。

ジョドワン氏は、モントリオール高等美術学校時代、NFBアニメーション部門の創設者であり初代ディレクターでもあるアニメーション作家の故ノーマン・マクラレン氏(1914-1987)にリクルートされ、当時はオタワにあった同スタジオに入所。ドキュメンタリー映画や戦時プロパガンダ映画にてグラフィックを担当しつつ、NFBアニメーションの初期の傑作シリーズ「一緒に歌おうLet’s All Sing Together」にてマクラレン氏とともに『ひばり』(1944年)を共同監督するなどした。

戦後一時期NFBを離れるが、フリーランスの仕事を経た後、1954年に復帰。教育映画を手がける傍ら、自身の監督作品として、『スクエア・ダンス(Dance Squared)』(1961年)、『三角形のダンス(Notes on a Triangle)』(1966年)、『球の配列(Spheres)』(1969年、ノーマン・マクラレンと共同監督)、『矩形と長方形(Rectangle and Rectangles)』(1984年)など、幾何学的な模様が動き変容する数々の名作を残した。

ジョドワン氏の功績は作家としての活動に留まらない。1956年にNFBがフランス語圏の都市モントリオールに移転したことをきっかけに、1966年、アニメーション部門のフランス語スタジオが設立。ジョドワン氏はその初代ディレクターとなった。ジョドワン氏はマクラレン氏の当初の情熱を引き継ぐかたちで、実験性の強い個人制作作品に力を入れた(新設スタジオゆえの低予算という事情があったとも言われている)。ジョドワン氏率いるフランス語スタジオは積極的に若い才能をピックアップし、そのなかには、コ・ホードマン氏、ジャック・ドゥルーアン氏、ポール・ドリエッセン氏、ピエール・エベール氏といったNFBの黄金期を築き上げた人々が含まれている。

また、ジョドワン氏は女性作家の登用においても大きな貢献をしており、後に世界的に著名となるキャロライン・リーフ氏のほか、スザンヌ・ジェルヴェ氏、フランシーヌ・デスビアン氏らに作品制作のチャンスを与えた。さらには、コンピュータ・アニメーションの可能性に着目し、ピーター・フォルデス氏の『飢え(Hunger)』でもプロデューサーを務めるなど、1977年にディレクターの職を辞するまで、NFBアニメーション部門の「顔」として現在まで残るような数々の作家・作品に関わった。

ジョドワン氏は、2001年にはケベック映画に大きな功績を残したと認められる人物に贈られるアルバート・テシェール賞を受賞。1985年にNFBを定年退職した後は、自宅の地下室にて、コンピュータを用いた実験作品の制作を個人で行っていたという。

NFBによるルネ・ジョドワン追悼の特設サイト
https://www.nfb.ca/playlist/rene_jodoin_en?hpen=feature_1
ピエール・エベール氏による追悼文
http://revue24images.com/blogues-article-detail/2327