「動態論的メディア研究会」は、デジタル技術の発展とグローバル化の進展の中、ダイナミックに変容をとげるメディア及びメディアに関わる表現文化について学術的にアプローチを行う研究会である。「メディア」を基軸に、思弁的実在論、メディア生態論や新しいカルチュラル・スタディーズなど新たな思潮や問題関心も踏まえながら、異なる分野の研究者が分野横断的に意見や関心を交換する場づくりを目指している。立命館大学 映像学部 映像学科教授の北野圭介氏と同学科准教授の北村順生氏によって立ち上げられた。

第五回目となる今回は、前回ゲストスピーカーをつとめたメディア・アーティストの藤幡正樹氏のプロデュースで企画され、「Samuel Bianchini とともに 〜 Practicable (MIT Press, 2016) をめぐって」と題されている。サミュエル・ビアンキーニ(Samuel Bianchini)氏は、フランス・パリにある国立美術大学である国立高等装飾美術学校(École Nationale Supérieure des Arts Décoratifs, 通称ENSAD)で教鞭をとっているメディア・アーティスト。ビアンキーニ氏は先ごろ、Practicableという書籍をMIT Pressより刊行し、デジタル技術時代の芸術作品を深い歴史的視座から問い直す仕事を行っている。この書籍には、藤幡氏をはじめ、参加型アートへの批評的著作で知られる美術批評家のクレア・ビショップ氏や、アクター・ネットワーク理論に代表される独自の科学社会学の構想で知られる社会学者のブルーノ・ラトゥール氏、さらにはメディア・アーティストの故三上晴子氏のインタビューも含まれている。アーティスト、批評家、研究者など、さまざまな立場から多角的に検証する内容となっている。本研究会では、同書に同じくインタビューが掲載されているメディア・アーティストのドミニク・キュナン(Dominique Cunin)氏や、若き気鋭の研究者オサマ・ムバラク(Oussama Mubarak)氏も登壇が予定されている。藤幡氏、ビアンキーニ氏、キュナン氏、ムバラク氏の4氏をゲストスピーカーに迎え、この著作を中心に、今日におけるメディア・テクノロジーと芸術実践についてさまざまな角度から討論する予定だという。なお、使用言語は英語の予定。

【追記】

本記事の公開後、主催者側による内容の変更があった。変更内容は以下の通り:

  • イベント名が「プラクティカブル・アート―メディウムからインストルメントへ―」に変更された。
  • 哲学者エリー・デューリング(Elie During)氏(ナンテール大学)の参加が追加決定された。
  • 登壇者による以下のテクストが公開された。

“Practicable art : from medium to instrument”

by Samuel Bianchini, Masaki Fujihata and Dominique Cunin

Since the 1950s, many artists have produced artworks that achieve themselves with the physical intervention of their audience. Whether they use technology or not, those are the works that we define as “practicables” in the book of the very same title, which has just been published by MIT Press under the co-direction of Samuel Bianchini, with the contributions of Masaki Fujihata and Dominique Cunin. Many works by Masaki Fujihata give a great importance to the public that will experience them as much as their medium, as he reminds us with the words “for each new work, a whole new medium” at the beginning of his first monographic publishing, an augmented book he has just published in the anarchive collection. The approaches of Samuel Bianchini and Masaki Fujihata settle the foundation of an aesthetic experience that also puts to the test, by the public, the conditions of the works. From then on, works may also be considered under the register of their instrumental condition. Can artists thus be regarded as instrument makers? It is on this path that Dominique Cunin ventures through the development of Mobilizing.js, a development environment for artists and designers and, beyond, for their audiences.

  • Anne-Marie Duguet and Masaki Fujihata (Eds), /Masaki Fujihata/,
  • Samuel Bianchini and Erik Verhagen (Eds), /Practicable. From Participation to Interaction in Contemporary Art/, Cambridge / London, MIT Press, 2016.

BooksReferences :anarchive #6, Paris, 2016.

開催概要

第五回動態論的メディア研究会「プラクティカブル・アート―メディウムからインストルメントへ―」
日時 2017年3月18日(土)15:00〜
会場 MEDIA SHOP(河原町三条)
登壇者:藤幡正樹
    Samuel Bianchin Professure(École Nationale Supérieure des Arts Décoratifs)
    Dominique Cunin (artist and researcher at EnsadLab)
    Oussama Mubarak (interaction designer and programmer, doctoral candidate EnsadLab)
    Elie During (philosopher, Université Paris X -Nanterre)
参考: http://www.ensadlab.fr
モデレーター:北野圭介
進行:北村順生

動態論的メディア研究会 ウェブサイト
http://mediadynamics.wixsite.com/mdri

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※3月17日:イベント内容の変更に伴い、記事タイトルの変更と記事の追記、および開催概要と画像の変更を行いました。