フランス在住のアーティスト・デュオ、エミリー・ブラウト氏(Emilie Brout)とマキソン・マリオン氏(Maxime Marion)、及びキャロリン・デリエウトラウズ氏(Caroline Delieutraz)は「作品をコピーしあう仲間たちのクラブ」である《The Copy Companion Club》のウェブサイトを2013年6月7日に公開した。クラブ規約には次の6ヶ条が掲げられている。

 

1.クラブ員によって作品をコピーされたアーティスト、またはクラブ員の作品をコピーしたアーティストのみが仲間になることができる。

2.クラブ員は存命中のアーティストの作品なら何でも自由にコピーできる。

3.コピーはオリジナルを再解釈したものである。

4.コピーされたアーティストにはその旨を通知をしなければならない。

5.コピー作品はCCCのウェブサイトに投稿しなければならない。

6.コピー作品はCCCライセンスのもとで頒布される。

 

上記の規約のほかにCCCライセンスのロゴ、コピーされたアーティストへの通知メールのテンプレートも用意されている。メールには「特別な申し立てがない限り、あなたの作品はCCCのウェブサイトに掲載されるとともに、あなたもCCCの一員になります」と書かれている。そして、CCCライセンスのテキストもクリエティブ・コモンズの「Attribution-ShareAlike 3.0 Unported」のコピーとなっているなど、《The Copy Companion Club》は徹底的にコピー行為を実践している。

 

《The Copy Companion Club》のサイトには現在(2013年6月21日)の時点では、コンセプチュアル・アートで有名な河原温氏が日付を描いた《”Today” Series》や、インターネットを活動の中心とするコリー・アーカンジェル氏(Cory Arcangel)がビデオ・ゲーム「スーパーマリオブラザーズ」の「雲」のみを抜き出した《Super Mario Clouds》などのオリジナルとコピー合わせて87の作品が掲載されている。オリジナルとコピーを並置することによって、どのように作品の再解釈がなされたが一目瞭然となっている。

 

ドイツの思想家ヴァルター・ベンヤミン(Walter Benjamin)は『複製技術時代の芸術』で大量生産によって芸術作品がもつ「アウラ」が失われたとしたが、デジタルデータはいくらでもコピー可能であるとともに、どこにでも瞬時に届けることができる。この事実は「オリジナルとコピー」という対概念を解体してしまうほどの力となりうるものだが、《The Copy Companion Club》はコピー行為を全面に押し出すことで、コピーにまつわる創作のオリジナル性と知的財産との関係を問い直し、コピー行為自体に新たな「アウラ」が宿りはじめていることを示しているのかもしれない。または、明日にでもこのサイトが閉鎖されてインターネットにおいても「コピー」は「コピー」でしかないとされるのかもしれない。いずれにしても《The Copy Companion Club》はデジタル時代における「コピー」という行為の意味を問いかけているのである。

The Copy Companion Club

http://copie-copains-club.net/