コミカリテ:グラフィック文化研究」(Comicalités – Études de culture graphique)は、パリ第13大学准教授ブノワ・ベルトゥ氏(Benoît Berthou)が中心となって発行しているマンガ研究誌。Web上で査読済みの論文が無料公開されており、ブダペスト・オープン・アクセス運動(Budapest Open Access Initiative、略称BOAI)で定義された、いわゆるオープン・アクセス・ジャーナルのひとつだ。掲載されている論文はフランス語あるいは英語で書かれており、要約は両言語で併記されている。

現在のところ14本の論文が掲載されており、4つのテーマ(「描かれたマンガ家」「マンガ:読み忘れられる芸術?」「ドイツとマンガ?」「デジタル時代の物語」)について論文を募集している。

この「コミカリテ」が、オープン・アクセス・ジャーナルをまとめて検索できるディレクトリ「DOAJ」(Directory of Open Access Journals)に登録された。

「DOAJ」は2003年に発足。約8千のジャーナル(雑誌等)が登録され、そのうちの約半分が論文レベルでの検索が可能。総論文数は90万本近い。表示画面は英語、フランス語、ギリシャ語、トルコ語に多言語化されている。

マンガ関連のジャーナルとしては、カナダの「ベルフェゴール」(Belphégor)、アメリカの「イメージテキスト」(ImageTexT)、ベルギーの「イメージ&ナラティヴ(Image [&] Narrative)などが登録されている。

これらのジャーナルは個別でサイトを保有しており検索も可能だが、「DOAJ」では一括して検索できるところに利便性がある。また、専門ではないが関連する領域のジャーナルも同時に検索できる点も有用である。

しかし、当然のことながら紙媒体や、アカデミックな装いに欠けているWebページ、個人のブログなどは登録されておらず、これだけで済ませるわけにもいかない。

たとえば「コミカリテ」寄稿者のうち、グザヴィエ・ギベール氏はWeb上でマンガの評論・研究ページ「du9」を運営しているし、パスカル・ルフェーブル氏も個人ブログ「初期マンガ」(Early Comics)でいくつもの興味深い論考を掲載している。また、同じく寄稿者のひとりであるジャン=フィリップ・マルタン氏は「マンガとイメージの国際都市」(CIBDI)の職員だが、CIBDIではこれまで紙媒体で発行されていたマンガ研究誌「第9芸術(Neuvième art)を「第9芸術 2.0」(Neuvième art 2.0)として刷新し、Web上で公開している。

ベルトゥ氏による「DOAJ」登録の報告
http://carnetsbd.hypotheses.org/1527?lang=en_GB

ブダペスト・オープン・アクセス運動宣言文
http://www.soros.org/openaccess/read